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去年の10月に出したSIREN2の考察本です。色々思うところあって公開することにしました。本を手に取ってくださった神様方申し訳ありません。これはアトランティス期待の新人一樹守くんがレポートを書いたという設定で文字を綴っています。なので本当はこの文章に手書きで赤文字補足が入っていたのですがその部分は文章中に唐突にでてくる()内の文章で大体補えていると思います。括弧内は一樹守くんの独り言メモみたいなテンションで読んでください。
いつかこれを加筆再構築してアップするのが目標です。あくまでも一個人の考察であり、訂正点も現時点でいくつか発見しています。SIREN2の事をもっと好きになったり、改めて話を思い返すきっかけになれたら幸いです。これが皆さんの考察の踏み台になることができたら幸いです。思考停止して丸呑みにすることの無いようお願いします。

アトランティス2006107日号企画書

アトランティス

夜見島取材レポート

昭和80810

「日本のバミューダ!?

島民消失・ブライトウィン号遭難事件の謎を追う!

島に伝わる穢の正体とは!!?」

取材担当:一樹 守

取材場所・内容

  東京沖に所在する夜見島が今回の取材場所である。昭和51年に起こった、謎の海底ケーブル切断からの島民消失事件、昭和61年に夜見島近海で起こったフェリー・ブライトウィン号の遭難・消失事件を軸に夜見島に伝わる特殊な思想、禁足地や埋葬方法などにも触れていく。

取材期間

     昭和808/18/3予定 

詳細

  三逗港にて船を確保し、(どうやって?)現地入りし、実際の島民の人々に取材。資料になる写真を撮りつつ、当時の様子を知る人がいないか調査。さらに島の風習についても現地の人に取材していく。

 古くからあった網元(その家自体は29年前の消失事件で絶えてしまっている)の家も見て回る。可能ならば中も調査したい。

 様子を見ながら以前は禁則地とされていたらしい四鳴山にも足を踏み入れたい。さらにこの土地に関しては夜見島が資源採掘の島として栄えていた時期からも、開発側と地元島民との間で問題があったらしいので、採掘所や社宅跡からなにか得られるものはないか探る。

 宿泊は現地で。

費用

     別途予算報告書を提出する。

以下、夜見島から帰還後の報告書である。事象の客観性、公平性を取るため、報告者である一樹守も、いち登場人物として扱うこととする。

基本事項この報告書はマニアックスを基準とし、以下の解釈で進めさせて貰う(設定という部分ではマニアックスに準拠するが、「解釈」自体は独自のものであり、必ずしもマニアックス通りではない)設定の詳細は各自マニアックスを参照して欲しい。

夜見島(現実世界)

  特殊な場所に位置する島。闇那其(の一部、ひとつ)の化石があることに由来するのか、不安定な場所であるようだ。さらに夜見島金鉱開発により禁足地が荒らされたため、無の世界などの、異界に繋がりやすいようで、滅爻樹の枝が禁則地の奥で採取できたり、三上脩の母、三上弥生の遺体が虚無の世界に流れ着いてしまったりするのもこのことに原因があるのかもしれない。

夜見島(写し世)

  母胎が虚無の世界に作り上げた偽物の夜見島。基本としては29年前の夜見島を写し取っている。ただし、19年前の存在である、ブライトウィン号・3年前に消失した羽生丸(これは羽生蛇の土砂災害、というか堕辰子の首が落ちたことによる余波らしい)は写し世に運び込まれてしまったようだ。虚無の世界に母胎が無理やり作った場所なので元に戻ろうとする力(虚無に戻ろうとする力=正しくあろうとする力?)が常に働いている。(らしいけどこれについてはまだちょっとよくわからない)

 また、母胎は現世帰還が目的であるため、目的達成のための好条件を模索している。そのため登場人物たちの様々な行動は「パラレルワールド(平行世界)」として無数に存在しおそらく保持されている。そしてこれが今回の達成条件12となっている。我々がプレイしなかった(ゲーム内に登場しなかった)パラレルワールドも当然存在するということだ。

観測とパラレルワールド

  ゲーム中で一樹守が「俺という観測者が~」と発言しているが、この観測という概念は量子力学の理論「シュレディンガーの猫」に由来するものだと思われる。写し世の世界は母胎の超常能力により作られた「異界」であるので、パラレルワールドが無数存在していても問題ないが、物語の最終局面において現世(理の世界)への脱出を行うに当たり、パラレルワールドはひとつに収束されなければならない。この理論は簡単に言ってしまえば、コイン弾きをしたとき伏せた手の中には「裏が出たコインと表が出たコイン」は同時に存在しており、我々が手を開き、観測することによってどちらか一方が消え去り、可能性が収束されるという「我々の干渉によって世界が決まってしまう」現象を表している。(詳しくは各自で調べてみてね)

  一樹のEDの題が「収束する世界」であることを考えると、この物語、少なくとも母胎の物語はは一樹が観測した世界に収束し、あのような結末を迎えていると考えられる。一樹の最終ステージは、この結果で世界が確定されるので、第2条件(パラレルワールド)が存在しないのだと思われる。

闇人(古のもの)

 人類以前に地球上に繁栄していた種族であり、これもまた闇那其から生まれた様々な現象の一つ。光に弱く、地球が光に溢れた際に虚無の世界へ逃げ込んでいる。虚無の世界において母胎という一つの存在になり、眠りにりついていた。

 自身らが虚無の世界へ避難しているあいだに地上に栄えた人類に対して明らかな敵意を持っている。同じ超常現象である堕辰子よりも思考が人類に近く、効率的に動いたり、嘘をついたり、ハッタリをカマしてきたりする。母胎覚醒後は、母胎から分裂し、人類の死体を光から身を守る「殻」として利用し、活動する。

 「殻」として利用した人間の生前の記憶が読めるらしく、彼らの記憶を利用した言葉も喋るが、堕辰子側の屍人と違い、本人の人格ごと闇人になっているわけではないので、それは中に入っている闇人の遊びである。(沖田さんに入っている闇人は特に悪趣味である)また、時間が経てば復活する闇人であるが、それは再度利用可能な「殻」に他の闇霊が入っているのであり、復活した闇人は正確には別の闇人ということになる。

 また、夜見島における屍人はこの闇人達の中、虚無の世界に逃げ込みそこねた者たちであり光の届かない深海に身を潜めていた。しかし、長い時間の中、その体は朽ちて霊体だけの存在となっている。その霊体(屍霊)が人類の死体「殻」に入ることによって屍人としてゲームに登場する。(SIREN1の屍人とは概念が異なる)永井最終ステージの堕慧児が屍人たちの母胎的存在に当たり、市子は堕慧児が母胎の真似事をして作った「鳩みたいなもの」である。(今回は堕慧児サイドの話に触れられませんでした)

考察その1

SIREN2は鳩の物語であるのか

 鳩とは母胎が現世の様子を垣間見るための自身の分裂体である。 母胎が大元ではあるものの、加奈江の自害が母胎に大きな影響を与えることや、郁子の感応視で母胎の動きを制限できることから、分裂体というよりも小分けにされた同一存在といったほうがいいかもしれない。

 SIREN2に登場するメインの女性は全て、混じりない人間ではない。純粋な鳩である加奈江、百合はもちろん、双子の郁子、柳子はブライトウィン号の生存者である木船倫子の胎内で暴走鳩の因子を受けている。(ブライトウィン号の怪を参照)喜代田章子は加奈江と脩が夜美島を脱出した昭和5183日に母親が海で溺れ、その際、朝日によって海に溶け込んだ加奈江の因子が入り込んでいる。ゲーム内で操作できる市子は既に模倣体であり人間矢倉市子の生命はすでに終わっている。皮肉にも、後に我々プレイヤーを苦しめるともえだけがこのゲーム内唯一の人間の女性キャラクターなのだ。

 そして、事故で落ちてきた自衛隊のメンバー以外は皆、鳩が原因でに夜美島に訪れている。一樹は三逗港で郁子に最初に声をかけているし(ここで郁子は夜美島に渡ることついて否定的である)脩はそもそも加奈江の面影を追ってここまできている。阿部は柳子を原因として章子のダウジングを通して夜見島にたどり着いている。藤田は夜見島で女の影を見たという情報(後にブライトウィン号で暴走体となる分裂体BB`である)を元に夜美島まで乗り込んできている。本人たちの意思はともかくとして、鳩たちは夜美島に人間を連れてくるという、鳩本来の役目を果たしているのだ。作中登場する覚醒・未覚醒鳩は以下の7体。

 

  岸田百合

 母胎から直接生み出された覚醒鳩。一番後に生み出されているためか今までで一番性能がいい(ようだ)。母胎の意思に忠実で(時間とともに取り込んだ弥生の意思が薄れているため)人間としての倫理観がない。鳩として最も機能する。鳩としての使命を放棄した木船柳子を殺害し、一樹とともに冥府の門を開け、母胎が脩を取り込む舞台を整える。鳩としては完璧だが、「共鳴」のムービーにおいて柳子と共感(シンクロ)した。(人間として意識の取り込み?これによって鳩としての完全性にヒビが入った?)。百合は一度人間意識(つまり柳子)とシンクロしてから母胎に帰還している。

木船郁子

 ブライトウィン号の生存者木船倫子の子供。双子の片割れ(姉、妹は不明)(郁子は翔星丸上で「5」と書かれたキャップをかぶっている、もしかしたら5番目の鳩の意味合いかも。そうすると郁子のほうが姉となる)で親元から離れて育てられた。分裂体B`(暴走体)の因子を持つ。未覚醒鳩だが、超常能力を持っており、他者の思考を読み取ることができたようだ。夜美島へ流されてからは母胎の影響からか能力が強くなり、思考を読むだけでなく、闇人を操る能力をも持つ様になる。と同時に感応視により、闇人たちの思考や目的にも確信を持って気がついていく。郁子が使命的なのはそのためと思われる(私が止めなくちゃいけない)。母胎にも影響することができ、その能力は最終ステージでも必要条件として使用されるのだが…。母胎に影響があるということは、当然母胎からの影響もあるということである。(覚醒すると顔が変わるのでゲーム内では未覚醒のまま)(母胎に対して反抗的なのは(でいられる)そのせいか)

木船柳子(多河柳子)

 郁子の双子の姉妹であり、親元で育てられた因子持ちの未覚醒鳩。郁子と同じ能力を持っていたと考えられる。しかし一年前に鳩として覚醒してしまい。自身が本当に化物であったことを知る。親元から逃げ出し朝日に身を晒して溶けようとしている時に阿部に助けられ、そのまま阿部と暮らし始めたようだ。阿部と恋仲であり、マニアクスの手紙からも阿部のことを大切に思っていた様子がわかる。(アーカイブ等に見られる、二人が言い争っていたという情報は鳩としての意識が強くなり攻撃的になった柳子を阿部が抑えていることだと思われる)同時にこの夢のように穏やかな生活がいつか失われるという不安感に常に怯えている。自分が本来の使命に背いて(化物のくせに)人として暮らして事に自覚的であり、罪の意識と憎まれている自覚がある。

 章子と友人であり、章子が未覚醒鳩であることに気がついている。(No.002多河柳子の日記)鳩として覚醒することに否定的であり、人間として生きて行くことのが幸せだと感じている。

 その後、訪れる百合に無抵抗のまま撲殺されてしまうのだが、その際百合と共鳴し、人として生きた幸せを百合と共有している。(またこの場面はSIRENの恩田姉妹の同調シーンと酷似している(同調し、涙を流す)そしてそのあと、死という形で決別している(しかも顔がわからない状態で)あたりは牧野・宮田の中央交際点のその後のようでもある)

 喜代田章子

  加奈江の因子を持つ未覚醒鳩。他者の過去を見る過去視の能力を持っている。殺人容疑者として追われる阿部に巻き込まれる形で夜美島へ。柳子の友人であり、阿部とともに柳子のゆくえを追う。

 夜見島で強くなっていく特殊能力に違和感を覚える。何かに導かれるように過去視を行い、過去の情報を取り込んでいく。(夜見島で津波に巻き込まれた時点から(確認したら船に同乗している時点で直接触っていました。共鳴しやすいのはだぶんこのあたりから)脩の名を口にしており、すでに片鱗が見えている)(この時点でも「脩、見ては…」と言っている)これは夜美島を脱出した後、すぐに溶け死んだ加奈江の行動をなぞっており、そのため、情報を取り入れれば取り入れるほど章子と加奈江の境目が曖昧になっていく。最終的に惨劇の夜、夜美島からの脱出すべての記憶を取り戻し覚醒。喜代田章子としての人格は失われ、完全に加奈江の人格となる。

加奈江

 一番最初の鳩。弥生の死体を手に入れた母胎がさらに外の様子を知るため、闇人達の殻になれるような存在が地上にいるか確認するために作った存在。しかしながら母胎に取り込まれたばかりの弥生には、生まれて間もない息子、脩への強い思いが残っており、(闇人たちは殻に強い想いが残っていると殻の意識に引っ張られやすい?)鳩として地上へ出た後も母胎の分裂体としての使命よりも、脩の母親として意識の方が勝り、三上家での穏やかな生活を優先していた。(実は一度脩を使って冥府下りを行おうとしているが、完遂しきれずやめている)

 鳩として生まれていながら加奈江の行動理念は全て脩に帰結しており、それは章子と成り代わったあとも変わらない。加奈江は鳩(化物)でありながら、母としての愛を選んでいる。もっとも人に影響された鳩である。最終ステージでは、脩を追いかける形で特異点に現れ、その身をもって母胎に損傷を与えた。しかしこれは全人類に対する愛ではなく、ひとえに脩の魂を母胎(異界?)から開放するためのものである。

 

分裂体BB`

 ブライトウィン号の怪に登場する鳩。両者とも母体によって作られた2番目にして双子の覚醒鳩であるが、うまく環境に適応できなかったようで、現世に現れて早々、夜見島付近の海を水死体のように漂うこととなる。その際Bは堕慧児に影響を受けており、混乱が生じたのか暴走体となって、ブライトウィン号の怪の原因となっていく。一方、B`は逆に人間によって影響を受け、暴走体から人間を(どうもおもに市子を)助けようと奔走する。

 しかし、結果は散々たるもので、この事件の生存者は木船倫子のみである。暴走体であるBは自身の崩壊の間際に、その因子を倫子の胎内にあった双子の胎児に宿している。これが後の郁子、柳子の姉妹である。つまり、姉妹は「母胎の鳩でありながら同時に堕慧児の影響を受けてしまった鳩」の因子を持っている。夜美島へ渡る船内のムービー「怪異」で郁子を海中に引きずり込んだのは堕慧児である。郁子が堕慧児の影響を受けた因子持ちであったためかもしれない。なお、B`の方は「ブライトウィン号の怪」を永遠に繰り返すループ構造にとらわれているらしく、また「ブライトウィン号の怪」の起こる直前に戻っており、これを永遠に繰り返すようだ。(ブライトウィン号は並び替えるとバースウィング(羽生)である)(細かいことは理解できませんでした。詳細求む)

  以上のように鳩の構造は複雑であるが(さらに顔も同じだったりそうじゃなかったりでさらに複雑)いずれも鳩の基本目的は母胎の現世帰還であり、人間を母胎まで運んでいくこと、母胎へ殻の存在を確認させることが使命である。

 しかしその使命に忠実であったのは、最後の鳩・百合だけであり、他の鳩は覚醒鳩、未覚醒鳩にかかわらず、本来の使命とは違った動きをしてしまっている。未覚醒鳩はともかくも、覚醒鳩である加奈江やB/B`もうまく機能しなかったことを考えると、鳩ひいては闇人という存在自体が他者に影響を受けやすい気質であるのかもしれない。

 母胎へと帰還したのは百合のみだが、実は鳩間では様々な共鳴や融合が行われている。百合は柳子を殺害した際、柳子の因子(暴走体Bの因子+人間として育った柳子の因子)をその精神に共鳴させている。次に章子は加奈江と完全に同調し、この場合は章子は人格すら上書きされてしまっている。(加奈江が非常に強力な思いを持っていることが伺える)郁子は冥府、最終ステージにおいて、母体の動きを止めるため感応視を行っている。(これについてはまたあとで)同じく最終的ステージで、加奈江は闇那其を使って自害し(胸でも首でもなく腹を指している。子宮から取り出すイメージ?)、母胎にダメージを与えているが、これは加奈江(鳩)が母胎と同一存在だからであり、この同調により、母胎にはダメージとともに加奈江の人間的な因子も還元されていると考えられる。

 これにより、母胎自体も「人の影響」を受けざる得なかった可能性がある。そうならば、母胎は鳩を介してだんだんと現世存在に近づいてきていることとなる。

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