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SIRENシリーズの考察をしています。
過去に出した考察本の内容を一部再構築しながらここに置いていきたいと思います。
あくまでも個人の一考察です。最後は貴方の判断でSIRENという物語を完成させてください。

DM開放しています。ご意見ご感想訂正否定お気軽にどうぞ
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2の考察本
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毎回ツイッターへの長文投稿の方法手探りなんですけど読みにくいとかいい案とかあったら教えてください。


  分割になってしまった長文ツイートのまとめ
SIRENでは根底のモチーフに生命の樹セフィロトがあると考えています。SIREN2はSIRENの鏡写しの存在であると解釈しています。そのため生命の樹も反転し、SIREN2のモチーフは邪悪の樹クリフォトとなります。
クリフォトはセフィロトの鏡像であり、虚のリアリティであるといわれていいます。SIREN2の舞台は虚無の世界に創られた鏡写しの存在です。この関係もそれぞれのモチーフが生命の樹、邪悪の樹であるということを示しているのではないでしょうか。

SIRENのマップ配置はセフィロトの樹におけるセフィラと配置を同じくしています。セフィロトが神に近づくための地図といわれていること、四層から構成されていること(屍人の巣の階層と同じ)などから無関係ではないのではと勘ぐっています。調査続行中です。

生命の実と知恵の実その1
須田は八尾の言うところの「実」=「美耶子の血」を注がれているので、完全な不老不死を手に入れています。これは生命の実を得ている状態です。
須田は村の外(=楽園の外)からやってきていますし、また竹内多聞の手帳を譲渡される事によって得た知識はそのまま知恵の実と解釈できることから、生命の実、知恵の実の両方を入手していることとなります。
この両者を手に入れるということは神と等しき存在になるということです。須田少年はこうして神になってしまったのです。


3日目3:03 
三角プールで目を覚ました多聞は「もう私には必要の無いものだ」といって須田に自分の手帳を渡します。ここで多聞は自分の培ってきた知識を須田に譲渡しているのですがそれと同時にここでは多聞自身が「知識=知恵の実」を手放す事によって、父母のいる楽園に帰還する資格を取り戻しているのかもしれません。


ミートローフの話1
ベラの日記(No.011)にサムがまずいミートローフを作ったこと、再び作らないようにレシピを隠したことが書いてあります。そしてアマナとなったベラが描いたであろう天地救之伝最終頁に「私は‐中略‐聖なるミートローフである!」とあります。
つまりアマナ=サムの作ったまずいミートローフなのです。ベラはサムの所業を望んでいなかったのにお父ちゃんの執念で残念なループが完成してしまうのですね。



SIRENの大きな根底のモチーフのひとつにタロットカードもまた存在していると考えています。一つ確信を持っているのが№10「運命の輪」と№21「世界」です。
№10「運命の輪」は、全く文字通りこのゲームの構造を示しています。4隅に人・獅子・鷲・牛が配置されていますが、これは木る伝開放の四つの石碑の像と一致しています。属性は回転、周期、チャンス、結果と原因、避けられない事態。ゲーム最中を示すかのようです。

№21「世界」は「運命の輪」の完成形です。4隅の人獅子鷲牛もまた運命の輪を経て完成された姿で描かれているそうです。中央の人物は、女性でもあり男性でもあるというのが一般的な解釈です。美耶子と同一存在になった須田を思わせます。
不完全な存在は統合され完全な存在へなったのです。それを囲む輪は無限の記号で閉じられています。虚母ろ巣の輪が完成がしていますね。
属性は完成、達成、到達、完璧そして大団円です。物語の最後を飾るのにふさわしい属性を持っています。SIRENの最後は大団円、ハッピーエンドというわけです。三日間お疲れ様でした!

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去年の10月に出したSIREN2の考察本です。色々思うところあって公開することにしました。本を手に取ってくださった神様方申し訳ありません。これはアトランティス期待の新人一樹守くんがレポートを書いたという設定で文字を綴っています。なので本当はこの文章に手書きで赤文字補足が入っていたのですがその部分は文章中に唐突にでてくる()内の文章で大体補えていると思います。括弧内は一樹守くんの独り言メモみたいなテンションで読んでください。
いつかこれを加筆再構築してアップするのが目標です。あくまでも一個人の考察であり、訂正点も現時点でいくつか発見しています。SIREN2の事をもっと好きになったり、改めて話を思い返すきっかけになれたら幸いです。これが皆さんの考察の踏み台になることができたら幸いです。思考停止して丸呑みにすることの無いようお願いします。

アトランティス2006107日号企画書

アトランティス

夜見島取材レポート

昭和80810

「日本のバミューダ!?

島民消失・ブライトウィン号遭難事件の謎を追う!

島に伝わる穢の正体とは!!?」

取材担当:一樹 守

取材場所・内容

  東京沖に所在する夜見島が今回の取材場所である。昭和51年に起こった、謎の海底ケーブル切断からの島民消失事件、昭和61年に夜見島近海で起こったフェリー・ブライトウィン号の遭難・消失事件を軸に夜見島に伝わる特殊な思想、禁足地や埋葬方法などにも触れていく。

取材期間

     昭和808/18/3予定 

詳細

  三逗港にて船を確保し、(どうやって?)現地入りし、実際の島民の人々に取材。資料になる写真を撮りつつ、当時の様子を知る人がいないか調査。さらに島の風習についても現地の人に取材していく。

 古くからあった網元(その家自体は29年前の消失事件で絶えてしまっている)の家も見て回る。可能ならば中も調査したい。

 様子を見ながら以前は禁則地とされていたらしい四鳴山にも足を踏み入れたい。さらにこの土地に関しては夜見島が資源採掘の島として栄えていた時期からも、開発側と地元島民との間で問題があったらしいので、採掘所や社宅跡からなにか得られるものはないか探る。

 宿泊は現地で。

費用

     別途予算報告書を提出する。

以下、夜見島から帰還後の報告書である。事象の客観性、公平性を取るため、報告者である一樹守も、いち登場人物として扱うこととする。

基本事項この報告書はマニアックスを基準とし、以下の解釈で進めさせて貰う(設定という部分ではマニアックスに準拠するが、「解釈」自体は独自のものであり、必ずしもマニアックス通りではない)設定の詳細は各自マニアックスを参照して欲しい。

夜見島(現実世界)

  特殊な場所に位置する島。闇那其(の一部、ひとつ)の化石があることに由来するのか、不安定な場所であるようだ。さらに夜見島金鉱開発により禁足地が荒らされたため、無の世界などの、異界に繋がりやすいようで、滅爻樹の枝が禁則地の奥で採取できたり、三上脩の母、三上弥生の遺体が虚無の世界に流れ着いてしまったりするのもこのことに原因があるのかもしれない。

夜見島(写し世)

  母胎が虚無の世界に作り上げた偽物の夜見島。基本としては29年前の夜見島を写し取っている。ただし、19年前の存在である、ブライトウィン号・3年前に消失した羽生丸(これは羽生蛇の土砂災害、というか堕辰子の首が落ちたことによる余波らしい)は写し世に運び込まれてしまったようだ。虚無の世界に母胎が無理やり作った場所なので元に戻ろうとする力(虚無に戻ろうとする力=正しくあろうとする力?)が常に働いている。(らしいけどこれについてはまだちょっとよくわからない)

 また、母胎は現世帰還が目的であるため、目的達成のための好条件を模索している。そのため登場人物たちの様々な行動は「パラレルワールド(平行世界)」として無数に存在しおそらく保持されている。そしてこれが今回の達成条件12となっている。我々がプレイしなかった(ゲーム内に登場しなかった)パラレルワールドも当然存在するということだ。

観測とパラレルワールド

  ゲーム中で一樹守が「俺という観測者が~」と発言しているが、この観測という概念は量子力学の理論「シュレディンガーの猫」に由来するものだと思われる。写し世の世界は母胎の超常能力により作られた「異界」であるので、パラレルワールドが無数存在していても問題ないが、物語の最終局面において現世(理の世界)への脱出を行うに当たり、パラレルワールドはひとつに収束されなければならない。この理論は簡単に言ってしまえば、コイン弾きをしたとき伏せた手の中には「裏が出たコインと表が出たコイン」は同時に存在しており、我々が手を開き、観測することによってどちらか一方が消え去り、可能性が収束されるという「我々の干渉によって世界が決まってしまう」現象を表している。(詳しくは各自で調べてみてね)

  一樹のEDの題が「収束する世界」であることを考えると、この物語、少なくとも母胎の物語はは一樹が観測した世界に収束し、あのような結末を迎えていると考えられる。一樹の最終ステージは、この結果で世界が確定されるので、第2条件(パラレルワールド)が存在しないのだと思われる。

闇人(古のもの)

 人類以前に地球上に繁栄していた種族であり、これもまた闇那其から生まれた様々な現象の一つ。光に弱く、地球が光に溢れた際に虚無の世界へ逃げ込んでいる。虚無の世界において母胎という一つの存在になり、眠りにりついていた。

 自身らが虚無の世界へ避難しているあいだに地上に栄えた人類に対して明らかな敵意を持っている。同じ超常現象である堕辰子よりも思考が人類に近く、効率的に動いたり、嘘をついたり、ハッタリをカマしてきたりする。母胎覚醒後は、母胎から分裂し、人類の死体を光から身を守る「殻」として利用し、活動する。

 「殻」として利用した人間の生前の記憶が読めるらしく、彼らの記憶を利用した言葉も喋るが、堕辰子側の屍人と違い、本人の人格ごと闇人になっているわけではないので、それは中に入っている闇人の遊びである。(沖田さんに入っている闇人は特に悪趣味である)また、時間が経てば復活する闇人であるが、それは再度利用可能な「殻」に他の闇霊が入っているのであり、復活した闇人は正確には別の闇人ということになる。

 また、夜見島における屍人はこの闇人達の中、虚無の世界に逃げ込みそこねた者たちであり光の届かない深海に身を潜めていた。しかし、長い時間の中、その体は朽ちて霊体だけの存在となっている。その霊体(屍霊)が人類の死体「殻」に入ることによって屍人としてゲームに登場する。(SIREN1の屍人とは概念が異なる)永井最終ステージの堕慧児が屍人たちの母胎的存在に当たり、市子は堕慧児が母胎の真似事をして作った「鳩みたいなもの」である。(今回は堕慧児サイドの話に触れられませんでした)

考察その1

SIREN2は鳩の物語であるのか

 鳩とは母胎が現世の様子を垣間見るための自身の分裂体である。 母胎が大元ではあるものの、加奈江の自害が母胎に大きな影響を与えることや、郁子の感応視で母胎の動きを制限できることから、分裂体というよりも小分けにされた同一存在といったほうがいいかもしれない。

 SIREN2に登場するメインの女性は全て、混じりない人間ではない。純粋な鳩である加奈江、百合はもちろん、双子の郁子、柳子はブライトウィン号の生存者である木船倫子の胎内で暴走鳩の因子を受けている。(ブライトウィン号の怪を参照)喜代田章子は加奈江と脩が夜美島を脱出した昭和5183日に母親が海で溺れ、その際、朝日によって海に溶け込んだ加奈江の因子が入り込んでいる。ゲーム内で操作できる市子は既に模倣体であり人間矢倉市子の生命はすでに終わっている。皮肉にも、後に我々プレイヤーを苦しめるともえだけがこのゲーム内唯一の人間の女性キャラクターなのだ。

 そして、事故で落ちてきた自衛隊のメンバー以外は皆、鳩が原因でに夜美島に訪れている。一樹は三逗港で郁子に最初に声をかけているし(ここで郁子は夜美島に渡ることついて否定的である)脩はそもそも加奈江の面影を追ってここまできている。阿部は柳子を原因として章子のダウジングを通して夜見島にたどり着いている。藤田は夜見島で女の影を見たという情報(後にブライトウィン号で暴走体となる分裂体BB`である)を元に夜美島まで乗り込んできている。本人たちの意思はともかくとして、鳩たちは夜美島に人間を連れてくるという、鳩本来の役目を果たしているのだ。作中登場する覚醒・未覚醒鳩は以下の7体。

 

  岸田百合

 母胎から直接生み出された覚醒鳩。一番後に生み出されているためか今までで一番性能がいい(ようだ)。母胎の意思に忠実で(時間とともに取り込んだ弥生の意思が薄れているため)人間としての倫理観がない。鳩として最も機能する。鳩としての使命を放棄した木船柳子を殺害し、一樹とともに冥府の門を開け、母胎が脩を取り込む舞台を整える。鳩としては完璧だが、「共鳴」のムービーにおいて柳子と共感(シンクロ)した。(人間として意識の取り込み?これによって鳩としての完全性にヒビが入った?)。百合は一度人間意識(つまり柳子)とシンクロしてから母胎に帰還している。

木船郁子

 ブライトウィン号の生存者木船倫子の子供。双子の片割れ(姉、妹は不明)(郁子は翔星丸上で「5」と書かれたキャップをかぶっている、もしかしたら5番目の鳩の意味合いかも。そうすると郁子のほうが姉となる)で親元から離れて育てられた。分裂体B`(暴走体)の因子を持つ。未覚醒鳩だが、超常能力を持っており、他者の思考を読み取ることができたようだ。夜美島へ流されてからは母胎の影響からか能力が強くなり、思考を読むだけでなく、闇人を操る能力をも持つ様になる。と同時に感応視により、闇人たちの思考や目的にも確信を持って気がついていく。郁子が使命的なのはそのためと思われる(私が止めなくちゃいけない)。母胎にも影響することができ、その能力は最終ステージでも必要条件として使用されるのだが…。母胎に影響があるということは、当然母胎からの影響もあるということである。(覚醒すると顔が変わるのでゲーム内では未覚醒のまま)(母胎に対して反抗的なのは(でいられる)そのせいか)

木船柳子(多河柳子)

 郁子の双子の姉妹であり、親元で育てられた因子持ちの未覚醒鳩。郁子と同じ能力を持っていたと考えられる。しかし一年前に鳩として覚醒してしまい。自身が本当に化物であったことを知る。親元から逃げ出し朝日に身を晒して溶けようとしている時に阿部に助けられ、そのまま阿部と暮らし始めたようだ。阿部と恋仲であり、マニアクスの手紙からも阿部のことを大切に思っていた様子がわかる。(アーカイブ等に見られる、二人が言い争っていたという情報は鳩としての意識が強くなり攻撃的になった柳子を阿部が抑えていることだと思われる)同時にこの夢のように穏やかな生活がいつか失われるという不安感に常に怯えている。自分が本来の使命に背いて(化物のくせに)人として暮らして事に自覚的であり、罪の意識と憎まれている自覚がある。

 章子と友人であり、章子が未覚醒鳩であることに気がついている。(No.002多河柳子の日記)鳩として覚醒することに否定的であり、人間として生きて行くことのが幸せだと感じている。

 その後、訪れる百合に無抵抗のまま撲殺されてしまうのだが、その際百合と共鳴し、人として生きた幸せを百合と共有している。(またこの場面はSIRENの恩田姉妹の同調シーンと酷似している(同調し、涙を流す)そしてそのあと、死という形で決別している(しかも顔がわからない状態で)あたりは牧野・宮田の中央交際点のその後のようでもある)

 喜代田章子

  加奈江の因子を持つ未覚醒鳩。他者の過去を見る過去視の能力を持っている。殺人容疑者として追われる阿部に巻き込まれる形で夜美島へ。柳子の友人であり、阿部とともに柳子のゆくえを追う。

 夜見島で強くなっていく特殊能力に違和感を覚える。何かに導かれるように過去視を行い、過去の情報を取り込んでいく。(夜見島で津波に巻き込まれた時点から(確認したら船に同乗している時点で直接触っていました。共鳴しやすいのはだぶんこのあたりから)脩の名を口にしており、すでに片鱗が見えている)(この時点でも「脩、見ては…」と言っている)これは夜美島を脱出した後、すぐに溶け死んだ加奈江の行動をなぞっており、そのため、情報を取り入れれば取り入れるほど章子と加奈江の境目が曖昧になっていく。最終的に惨劇の夜、夜美島からの脱出すべての記憶を取り戻し覚醒。喜代田章子としての人格は失われ、完全に加奈江の人格となる。

加奈江

 一番最初の鳩。弥生の死体を手に入れた母胎がさらに外の様子を知るため、闇人達の殻になれるような存在が地上にいるか確認するために作った存在。しかしながら母胎に取り込まれたばかりの弥生には、生まれて間もない息子、脩への強い思いが残っており、(闇人たちは殻に強い想いが残っていると殻の意識に引っ張られやすい?)鳩として地上へ出た後も母胎の分裂体としての使命よりも、脩の母親として意識の方が勝り、三上家での穏やかな生活を優先していた。(実は一度脩を使って冥府下りを行おうとしているが、完遂しきれずやめている)

 鳩として生まれていながら加奈江の行動理念は全て脩に帰結しており、それは章子と成り代わったあとも変わらない。加奈江は鳩(化物)でありながら、母としての愛を選んでいる。もっとも人に影響された鳩である。最終ステージでは、脩を追いかける形で特異点に現れ、その身をもって母胎に損傷を与えた。しかしこれは全人類に対する愛ではなく、ひとえに脩の魂を母胎(異界?)から開放するためのものである。

 

分裂体BB`

 ブライトウィン号の怪に登場する鳩。両者とも母体によって作られた2番目にして双子の覚醒鳩であるが、うまく環境に適応できなかったようで、現世に現れて早々、夜見島付近の海を水死体のように漂うこととなる。その際Bは堕慧児に影響を受けており、混乱が生じたのか暴走体となって、ブライトウィン号の怪の原因となっていく。一方、B`は逆に人間によって影響を受け、暴走体から人間を(どうもおもに市子を)助けようと奔走する。

 しかし、結果は散々たるもので、この事件の生存者は木船倫子のみである。暴走体であるBは自身の崩壊の間際に、その因子を倫子の胎内にあった双子の胎児に宿している。これが後の郁子、柳子の姉妹である。つまり、姉妹は「母胎の鳩でありながら同時に堕慧児の影響を受けてしまった鳩」の因子を持っている。夜美島へ渡る船内のムービー「怪異」で郁子を海中に引きずり込んだのは堕慧児である。郁子が堕慧児の影響を受けた因子持ちであったためかもしれない。なお、B`の方は「ブライトウィン号の怪」を永遠に繰り返すループ構造にとらわれているらしく、また「ブライトウィン号の怪」の起こる直前に戻っており、これを永遠に繰り返すようだ。(ブライトウィン号は並び替えるとバースウィング(羽生)である)(細かいことは理解できませんでした。詳細求む)

  以上のように鳩の構造は複雑であるが(さらに顔も同じだったりそうじゃなかったりでさらに複雑)いずれも鳩の基本目的は母胎の現世帰還であり、人間を母胎まで運んでいくこと、母胎へ殻の存在を確認させることが使命である。

 しかしその使命に忠実であったのは、最後の鳩・百合だけであり、他の鳩は覚醒鳩、未覚醒鳩にかかわらず、本来の使命とは違った動きをしてしまっている。未覚醒鳩はともかくも、覚醒鳩である加奈江やB/B`もうまく機能しなかったことを考えると、鳩ひいては闇人という存在自体が他者に影響を受けやすい気質であるのかもしれない。

 母胎へと帰還したのは百合のみだが、実は鳩間では様々な共鳴や融合が行われている。百合は柳子を殺害した際、柳子の因子(暴走体Bの因子+人間として育った柳子の因子)をその精神に共鳴させている。次に章子は加奈江と完全に同調し、この場合は章子は人格すら上書きされてしまっている。(加奈江が非常に強力な思いを持っていることが伺える)郁子は冥府、最終ステージにおいて、母体の動きを止めるため感応視を行っている。(これについてはまたあとで)同じく最終的ステージで、加奈江は闇那其を使って自害し(胸でも首でもなく腹を指している。子宮から取り出すイメージ?)、母胎にダメージを与えているが、これは加奈江(鳩)が母胎と同一存在だからであり、この同調により、母胎にはダメージとともに加奈江の人間的な因子も還元されていると考えられる。

 これにより、母胎自体も「人の影響」を受けざる得なかった可能性がある。そうならば、母胎は鳩を介してだんだんと現世存在に近づいてきていることとなる。

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2考察②ページ目(①ページ目はこちら

巫秘抄歌について

  巫秘抄歌はゲーム中においては冥府の門を開けるためのキーワードとなっている。しかしこれはSIREN2の主題歌であり、今回の事件そのものを表しているともとれる。

   そもそも巫秘抄歌がシュメール神話を元に作られているのはマニアクスにあるとおりであるが、注目するべきなのは、歌詞の順番がシュメールの冥府下りとは 逆になっていることである。元となったシュメール神話も実のところ、シュメールが冥府から帰ってくることで初めて神話が終了している。その際、七つの門で おいてきた七つのアイテムを取り返している。これはつまり、「冥府下り」という名称で行われていた行為(ゲーム中には「冥府下り」という単語は出てこない ことも考えると)、「七つの門の七つの鍵を開ける」という行為は、人間が冥府へ下っているのではなく、母胎が冥府から上がってくる、「現世回帰」の歌では ないかと考えられる。そうすれば、歌が最終門から始まって最初の門で終わっていることと合致するのだ。(冥府下りについては各自でしらべること)

 (巫秘抄歌に出てくるアクセサリーは実は作中でもいくつか発見されている。髪飾り、首輪、ゴールド王将、ブレスレットである。惜しくも耳飾り、錦の腰帯、天のころもが見つかりません。情報求む!!)

 こうして七つの門を開けてもらうことに成功した母胎は鳩を帰還させることに成功するのだ。

  さらに巫秘抄歌には使い鳥=鳩や、箱の船=ブライトウィン号?(しかもそこで打ち鳴らすのは腕の飾り=ブレスレットである)など明らかに作中の動きを表す 歌詞も見られる。まだ全てに対応するものを見つけられていないが、登場人物、あるいは作中の行動を示している可能性が高い。(まだ未解決)

  

考察その3

鏡写の世界と価値観の逆転

  今 回の舞台は現世の鏡写、写し世の世界であるが、この「鏡写」という部分が設定だけでなく、ゲームの内容そのものにもかかっているという考え方もできる。そ うなった場合、正しい行為は正しくなく、間違っていると思われる行為が正しくなってくる。この価値観の逆転の仮説を採用していくと、見えてくることがいく つかある。(冥府下りも逆手順で行われている)

  永井のステージ「共闘」で、第一条件ではしっかりと握られた永井と一樹の手は、第二条件では永井が太田に突き落とされ一樹の手を取れず、鉄塔から落ちてし まった。これをはじめ、第二条件の方が、自体が悪い方へと傾いていることが多いことに気がつける。実は藤田の第一ステージなどは、まだ現世の夜見島であ り、第二条件で不安定な地場から見えたブライトウィン号の明かりを発見しなければ(第一条件でそのまま崩谷方面へ抜けていれば)、そのまま巻き込まれず夜 美島をあとにしていた可能性が高い。藤田と合流できなければ市子は百合に発見されそのまま殺されてしまうので、この次元では藤田が殺されることはない。藤 田には怪異に遭遇せずに帰るパラレルワールドが存在しているのだ。

  様々な第二条件から引き起こされる現象を鑑みると、第二条件は「母胎から見た都合の良い条件」である可能性が高くなってくる。ここでマニアクスにある情報 を見ると、『地上に還りたいと願う母胎の”想い”が虚無の世界の理を捻じ曲げ、無限に分岐していく平行世界を生み出していく』とある。この記述を見れば、 そもそも、ここ夜美島は母胎の作り出した母胎のための舞台であり、全てのパラレルワールドは母胎に都合のいい部分を抜き出すための装置であるということが わかってくるのだ。(各第2条件と必要条件はタイムチャートに載っているので確認してみてほしい)

 この事実によって、そもそも、このゲームの主観が実は闇人側にあったということがわかってくる。SIRENでは第二条件つまり、登場人物たちの努力とあがき、人としていきたいという想いが堕辰子の首を落とし、晴海を生還させるという終着地点を見せているが、SIREN2では、登場人物たちがあがき、頑張ることによって、事態は悪い方、闇人たちにとって都合の良い方へ転んでいってしまうのだ。(No.053永井の自衛隊身分証明書の母親からの「諦めないで頑張るからネ」の一文、よく見ると「頑張る」の部分にだけ唐突に血痕がついている。)(ぞっとします)

考察その3

ゲーム内で登場人物たちが行ったこと

 正しいと思われることは正しくない。頑張ってはいけない。を念頭に置いて登場人物たちが行ったことを振り返ると(鳩が鳩の立場を理解して望んだ行動は叶えられる?)

 加奈江は脩を「助けたい一心から」夜美島を「脱出」している→実のところ、加奈江があのまま太田達に殺害されていれば、そもそもこの話はなかったのかもしれない。

 一樹が百合を「信じて」冥府の門を開けている→開けてはいけなかった。

 郁子は一樹の言葉を「信じて」門の石碑を壊した→効果はなかった(むしろ壊してはいけなかった?封印を壊してしまった?)

脩は「宝物」(おねえちゃんの絵)を発見した→見つけてはいけなかった(おねえちゃんの思い出が強くなって冥府下り・吸収へ)

 藤田は中学生の「女の子を保護」した→実は模倣体だった。

 市子は藤田と合流したため、「助かった」。→藤田は殺害される羽目に。

 永井は百合を「助けた」→百合は自由に、冥府下りを一樹に行わせる。

 三沢は少女と「再会」した→三沢のトラウマと霊感が最高潮に?それゆえ市子の正体を見抜き永井に打たれる羽目に。

 章子は、加奈江の秘密を「知った」。→人格を加奈江に乗っ取られる。

 阿部は、章子の「手伝い」をした→章子の人格が消えることに。

 

  目立ったところを箇条書きにしたが、もちろんこれにとどまらず、人間の感覚から言えば「正しいこと」「良かれと思ったこと」を行なうと、不思議と報われな い結末が待っている。これは終了条件に限ったことではなく、様々なムービーや各登場人物たちの動きにかかってきている。特に三沢は早い時期から異界の気配 を感じ取っているため、百合と市子に対し銃口を向けるなど敵対的な雰囲気を見せる。当然これは自衛隊員として、危険地であった女性や少女に対して取るべき 行動ではないが、この三沢の行動こそが「正しかった」のである。(そしてそれを正義感、倫理観から止める永井の行動こそ、正しくない行動なのである)一樹 はいくつかのムービーで百合をかばっているが、これは結果として人類を危機に至らしめ、阿部が章子の誕生日を祝ったことでさえも、最終的に章子が消え、加 奈江となって生まれ変わる事への皮肉なってしまってすらいる。 (ほかにも色々あるはず)

  一樹のムービー「反抗」で永井は三沢を自身が撃ったことを認め、最後まであがくと言っている。(一樹はここで「もうダメだ」と諦めの表情を見せている)こ こで永井は「映画でもそう言う奴が生き残る」と言っているが、永井最初のムービー「不時着」で三沢は「これ、ドラマじゃねぇから」と既に言っている。この 物語は「映画でもなければドラマでもないので」全ての努力・想いが報われはしないのである。

 

 そして、頑張り、あがいた挙句が永井のEDである。気持ちとしては納得がいかないが、この舞台では、頑張ることは正しくないことなので、永井が頑張った分だけ残酷なEDが待ち受けている。さらに、このEDは闇人と人類の立場が入れ替わっており、アーカーブ(No.097闇人の絵日記)にあるとおり、永井の方が突然降って湧いた「化物」なのである。これはマニアクスにも載っている「地球最後の男」のオマージュであり、悪であるはずの化物と正しいはずの自分が逆転してしまうという、最も恐ろしい現象をEDに持ってくるとともに、このゲームの根幹に価値観の逆転があることを伺わせてくる。

考察その4

SIREN2と言うゲームの本当の流れ

 ゲーム収束への正しい条件を我々はゲーム内で行っていくわけだが、その中でも気になるものが、母胎のの覚醒に立ち会った人物(一樹・郁子・阿部・章子・脩)4人+市子は様々な箇所で門を開いているということだ。

 まず、章子の000「違和感」ここでは、章子が車止めを排した上で車を使って門を破り瀬礼州方面へ抜けている。次に一樹の300「迷道」で一樹は正門を封鎖している針金ををペンチで切り、母胎の片鱗を入手している。同じく300脩「代役」 で木製バットを使い壁を壊して道を開き、化石を発見する。次は800「虚無」の市子で闇人の乗った軽トラックをパンクさせて車を当て、学校裏門を開く。次は章子1500「彷徨」でこれは熊手を使い浅野家の門を開いている。さらに阿部の1900「苦悶」でトロリー電車での鉄扉の破壊。最後に2000郁子の「闇人」での闇人乙式を使って、鍵を開けさせてカメラを入手する。

  これで、六つの門が開かれた。さらには、これらは開かないままクリアすることは不可能で、且つそれぞれムービーが挿入されて行われている。また、人間であ る章子、一樹、脩(壊したのは阿部だが)阿部は門を破壊するかたちで、鳩である「彷徨」の章子(加奈江)と郁子は鍵を壊さず、裏側から開けて(開けさせ て)いる。(あとひとつはうまく見つけられなかった。もしかしたら最後のひとつは失敗しているのかも)

 このうち阿部の鉄扉以外は第二条件での行動である。第二条件が闇人側にとっての条件であることを考えると、そもそも、登場人物たちが行う夜見島での第二条件の行動そのものが「七つの門」を開ける鍵になってしまっているのではないだろうか。

  そうであれば、母胎は現世回帰の一歩手前まで非常にテンポよく進んでいたことになるが、母胎にとってイレギュラーだったのは、鉄塔が破壊され、特異点とい う場に引きずり出されてしまった事のみにほかならない。ご存知のとおり阿部の仕業であるが、件のムービーの題名は「不測」。これは、阿部にとっても「あり えねぇ」ことではあったが、それ以上に母胎にとって不測の事態だったに違いない。(阿部はマニアクスにおいても、トリックスターであると述べられているの で、さまざまな事柄から例外である可能性がある)(太陽の力・ゴールド王将を拾うのは阿部であり、また、101個目のアーカイブ、木船柳子からの手紙でも、「倉司は私にとっての太陽」とある。闇人達のもっとも苦手とする太陽の名前が阿部には付きまとっている)

  最終戦においては、母体の影響がおよばない特異点で行われ、可能性の収束が行われている。しかし、特異点では全てのものが干渉しうるので、夜見島内と違い 母胎にとって不利な状況も現れてくる。(パラレルワールドを管理できないため、母胎にとっても一発勝負)そこで加奈江が闇那其で自害をすることで母胎に損 傷を与え、闇那其が変化(加奈江の自害が引き金となったことを考えると、加奈江が同一存在である自分を傷つけることにより、母胎は闇那其で傷けることが可 能な存在に変化したのかもしれない)、母胎の撃破までたどり着いている。

  ここで、二本の闇那其によって傷つけられた母胎が損傷しているのは、実は目である。このゲームのテーマの根底にはもう一つ「見る」というキーワードがあ る。これを念頭にゲームを行なうと、非常にこのキーワードが多用されてることに気が付けるだろう。一番印象的な「脩、見ないで」「見て、私を見て」を代表 として同種として、「眠る」「目覚める」などの変化系はあれど、見る、知るという認知する行為に対し、わざわざこの言葉が使われているのがわかるだろう。 なお、加奈江はとおして(章子から覚醒したあとも)「見ないで、見てはいけない」と言っており、逆に百合は「私を見て」と言っている。

  闇那其によって目を潰され、何も見ることができなくなった母胎は最後の津波を起こしている最後のムービー「終焉」において、一樹と郁子はその大津波に巻き 込まれてしまうのだが、ここで、固くつないでいた一樹の手は郁子の手と離れてしまう。この、触れるという行為もまた、作中に多く出てくる。(阿部と寄り添 う章子、一樹をを立たせる永井、永井に抱き着き事切れる三沢)これはどうも人類側の物である様子であるが、特に一樹は郁子に対しては3回(逆に鉄塔では落ちそうになる郁子を引き上げることに成功している)、そして鉄塔から落ちる永井に対して、手をつなぎ損ねている。最後の津波で郁子の手をつなぎこ損ねたのには何の意味があるのであろうか。

 最初に一樹が郁子の手をつかみ損なったのは翔星丸で郁子が海に投げ出される時である。このあと、海に沈んだ郁子は感応視を使って堕慧児から逃れている。2回目は郁子に心が読めると告白されたときで、悪意からではないが、咄嗟に手を離してしまう。郁子は「化物を見るような目で見ないでよ」と言って去ってしまう。3回目が最後、津波に巻き込まれ、固くつないでいたはずの手を離してしまう。

  郁子は感応視を使っていくつかの困難を乗り越えてきているが、感応視とは、相手とシンクロする行為であり、それが非常に強化され、意識の根底が同じである 闇人を操れるまでになっている。しかしこれは同時に、郁子の意識も無意識のうち闇人へ意識をシンクロさせていっているということになる。特に、堕慧児から 逃げたとき(そもそも郁子のうちにあるBの 因子は堕慧児に影響を受けている)の感応視を使用しており、冥府で母胎も感応視で止めている。この島に来てから力がどんどん強くなっていると、郁子自身が 言っていたが、堕慧児や母胎といった強力な超常存在とシンクロしてそのままでいられるわけがないのだ。そして最終ステージ、やはり郁子の感応視が母胎撃破 の必要事項であるが、ここでは郁子はなんども母胎と感応視(シンクロ)する必要が出てくる。ここで無意識のうちでも強く母胎とシンクロしてしまった郁子 は、津波に巻き込まれたとき、一樹と手を離してしまう。ここで3回人である一樹と手を離してしまった郁子は、鳩というよりも闇人に「なってしまった」可能性が出てくる。

 一樹のED「収 束する世界」では、朝日を見る一樹の後ろでひどくまぶしそうにしている郁子がいる。彼女は一言も喋らない。最後の津波で手を離してしまった=郁子は人でい られなかったのだ。さらに最終ステージで母胎となんどもシンクロしていることから、郁子は最早、鳩ですらない(その証拠に顔が変わっていない)、母胎その ものになってしまったのかもしれない。

 この仮説で行くと、なんと母胎は悲願である「現世回帰」達成しているのである。

 登場人物たちが頑張った末、母胎は虚無の世界から脱出できる殻があることを確信し、開け放たれた七つの門をとおり、虚無の世界から脱出することと相成った。(特異点と加奈江の自害は母胎にとってもイレギュラーであったと思われるが体良く脱出できたのは間違いない)一樹のEDで流れる巫秘抄歌。この物語の最後の言葉は「まことにめでたくまったらば ななつのもんが ひらかれん」

 めでたく舞ったのは我々登場人物であり、プレイヤーである、あなた自身なのだ。

考察その5

SIREN2SIRENの鏡写?

 今回の舞台は鏡写の異界「夜見島」である。しかし、この「鏡写」は舞台の設定そのものだけでなく、前作SIRENの鏡写であると考えられる。

  オカルトに興味のある若者、犬を連れた盲人、赤い服の女、離れて育った双子、霊感持ち。前作でも聞き覚えのあるような人物設定から、前作と今作が全く別物 として作られていないことは間違いない。さらにここに、「鏡写」逆転の設定である、という条件を当てはめると色々見えてくることがある。

  まず、舞台そのものが「山」と「海」である。さらに異界そのものもまた、「地獄段」や「蜘蛛の糸」という名称からも夜見島の異界は「地獄」であることが伺 える。対して、羽生蛇の異界は神の国に続く「天国」である。そして両者の作中で開かれるものは「冥府の門」と「楽園の門」なのである。SIRENにおいては、黄泉戸喫 は脱出不可となる禁忌として、依子が多聞に止められているが、SIREN2においては阿倍の黄泉戸喫 こそが人間側に特異点という最後のチャンスを与えることとなった。(ライターは実はSIRENにも出ており、美浜奈保子がライターを紛失していたがために、どうも脱出し損ねているらしい)(阿部はライターを一旦失くすが、紆余曲折を経て阿倍の手元に帰ってきている(これこそが人類側の達成条件?))

 また、いんふぇるのへは屍人の巣を降りていき、特異点へは鉄塔を登っていく。

  SIRENに おいては、当然だがすべての視点は人間がわで進んでおり、彼らの「頑張り・あがき」「誰かの為に」の行動は、すべて正しく、道理に則って報われている。み んなのあがきが木る伝を解放し、美耶子との約束がウロボロスの輪を打ち壊し、高遠の献身が春海を現世へ帰還させた。また、SIRENでは、「聞くこと」「耳を傾けること」がひとつのテーマとなっている。自らの使命に耳を傾け、それを果たすことこそが、救いの道であり、正しく努力すれば努力した分だけのエンディングが用意されている。しかし、SIREN2に おいては、「あがき・頑張る」ことで自体は悪化し、「誰かの為に」する行動は、報われない。少女の願いに協力した一樹は冥府の門を開ける羽目になり、市子 を救いたいと思って、ブレスレットを持ち奔走した永井の行動は逆効果だった。使命感から記憶を辿り、真実を知った章子は消滅し、人として戦った郁子は化物 になってしまった。SIREN2ではSIRENとは逆に「見る」「認識する(知る)」ということがテーマであるが、その実それは「見てはいけない」「認識しては(知っては)いけない」である。何も知らず、ただ黙って眠りにつく。これがSIREN2の正しい対処法であり、ある意味、登場人物たちは、脱出を諦めて果てる、という選択肢こそが人類を救う選択肢であったといえよう。(ただし、これは鳩(闇人)の話なので鳩たちが鳩として(わかっていながら)行う行為は正しく反映されているような気がする)

 同じ使命を果たす双子でも、宮田は使命を果たし宮田自身も救われるが、郁子は使命を果たしたが故に救われず、化物に成り果てる。

 

 12が対極的なのは、SIRENではただの高校生である須田恭也が、美耶子との約束というほんのささやかなもののために、「人から神へと成っている」が、SIREN2では加奈江という神の分身が脩の、たったひとりの男の子の無事のため「神ではなく人として生き、死ぬ」ことを選択している。

 SIRENは「人が神に上がる話」SIREN2は「神が人に降る話」なのである。

まとめ

   以上で今回の報告レポートとさせてもらう。しかしながら、まだ解析が不十分な箇所が多く有り真実はまだまだ深い海の底なのかもしれない。しかしながら、 今回のレポート、考察から新たなことが見えてくるのは間違いが無いだろう。これを読んでくれた皆さんにも是非引き続きの解析を頼みたい。

 特に巫秘抄歌についてはもっと突き詰めていけるはずだ(なにせ歌詞を佐藤直子が作っているんだし)。「焔みやって」「風音尋ねて」等々の部分にも何かしら意味があるに違いない。報告者である私も引き続き解析を進めていきたいと思っている。

  作中でムービー挿入されて壊されている、もしくは無理やり開けられている門は六つしか確認できなかったがまだまだ見落としている可能性も捨てきれないの で、ぜひこの機会にもう一度ゲームをプレイしてみてほしい。作中に出てくる巫秘抄歌に出てくるアクセサリーついても、非常に興味深い状態なのでこれはと思 うものがあれば知らせていただきたい。

 また永井のED、阿部のEDについても、もっと納得がいく、詳しい説明ができるのかもしれない。闇那其やSIRENで キーワードとなった「相反する力」についても調べが回らなかったため、悔いが残る。また、今回については、取り急ぎの報告とはいえ、堕慧児と自衛隊につい て全くと言っていいほど触れられなかったので、次回報告書を提出する際にはそちらを重点的にレポートしていきたいと思っている。

 SIRENほど、小気味よく、絶望の中に希望が見える話ではないが、SIREN2はそんな中で、誰がどう思って行動し、誰を気遣って、誰のために行動したかを考えると非常に奥深く、その深さゆえに悲しい物語である。しかし、その分、海のような不安な味わいある作品であるので、このレポートを目にすることとなったみなさんは是非、もう一度SIREN2を紐解いてみてほしい。夜見島から脱出してきた今となっては、努力は悪い方面に傾かないのだから。

SIREN2は脩が目覚めるステージから始まって、眠るムービーで終わっている)

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